お知らせ

手機 筬替え。

2021年01月08日(金)

新年明けましておめでとうございます。
本年も、よろしくお願い申し上げます。

新年早々、弊社の手織り工房にて筬替えを行いました。
今回は経糸の太さが変わるため、
それに準じたものに交換することになりました。
筬は経糸を織前で一定の幅に揃えておく役割の他、
開口した経糸の間に緯糸をくぐらせてから
緯糸を経糸に打込む役割を担うもので
櫛状に細かい板が並び詰まった金属製の機の構成部品になります。
今回使用するのは曲尺の1寸=3.03センチの間に70枚の歯が並んでいる筬です。
2人掛かりで筬に経糸を通していきます。
間違えてはいけませんので無言で作業を進めていきます。
西陣では経糸の本数、横込(緯糸の打込回数)、
織物の組織が織屋によってマチマチです。
それが織屋ごとの織物の差異性に繋がり、
商品のアイデンティティとして表現されています。
しかし、長年、作り続けていると、今までの考え方、習慣が
こびり付いてしまい、思い切った斬新な「ものづくり」が
出来にくくなってしまっているのも、また事実です。
今回の筬替えは西陣まいづるの既成概念を脱却するための
「ものづくり」の始まりでもあります。